オンラインHDFについて
HDFとは
通常の血液透析(HD)に血液濾過(HF)を加えた治療法です。濾過量を多量に行うことで、血液透析よりも多く低中分子蛋白といわれる物質を取り除くことができます。低中分子蛋白の中には、β2MG(ミクログロブリン)があり、透析アミロイド―シス/手根管症候群を引き起こす原因と言われています。オンラインHDFでは血液濾過を多くかけることで、そうした合併症を防ぐ治療法です。
オンラインHDFとオフラインHDFの比較
HDFには、オンラインHDFとオフラインHDFがあります。オフラインHDFは、市販の補充液を用いた治療法ですが、当院で採用しているオンラインHDFは、多量の補充液を用いることで、オフラインHDFと比較してより多くの老廃物を除去することが可能です。他にもオンラインHDFには以下のようなメリット(利点)が報告されております。
一方で、通常の透析と比較して、アルブミンが一部抜けるという特徴もあるため、血液検査でアルブミン値が低い患者様にはデメリットになりうるため、医師、看護師、臨床工学技士で検査データや患者様の全身状態等の情報共有を行いながら一人一人の患者様に合わせた透析条件を設定することが重要です。
これまではオンラインHDFが提供可能な人数に制約がありましたが、新しく導入する透析用コンソールは全てオンラインHDFに対応しており、オンラインHDFの治療の適応となる患者さんにはほぼ全て提供することが可能となります。
I-HDF
I-HDFでは近年登場した新しい治療方法で、透析濾過液を一定の時間ごとに間欠的に少量補充します。濾過量はオンラインHDFと比較すると少なく、小規模なHDFといえます。アルブミンの喪失量はオンラインHDFより少なく、透析中の血圧低下を予防する効果があると言われています。補充した濾過液は除水をするようにプログラムをされているため、体重増加する心配はありません。高齢で栄養状態が良くはないものの、DW(ドライウェイト)や投薬内容の調整をしても、透析中血圧低下を来すことが多くなった方にはメリットの大きい治療法です。